ICS SAKABE Industrial Control Solution

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協働ロボットの活用シーンは?導入事例や導入の流れも解説

昨今、人手不足や職員の高齢化などが問題となり、協働ロボットの導入を検討されている企業は増えているのではないでしょうか。

しかし、どのような形でどういった協働ロボットの導入を検討すれば良いか、費用対効果は本当にあるのかなど、悩まれている方も少なくありません。

まずは、協働ロボットの様々な業界での活用シーンや導入事例を知っていただくことで、導入の判断材料になるのではないでしょうか。

本記事では、どのような協働ロボットがあり、それぞれの活用シーンや実際の導入事例について紹介します。

導入の流れについても解説していますので、参考にされてください。

協働ロボットの活用シーン

協働ロボットは安全に配慮されたロボットです。従来の動作速度が速く、力が強い産業ロボットとは異なり、安全柵で隔離することなく人と一緒に作業を行なうことができる産業用ロボットの一種です。

2013年12月に安全柵に関する規制が緩和され、2015年3月にはロボットの電源に関する規制が緩和されたことで、協働ロボットを導入する企業が増えつつあります。

ここでは、業界ごとの活用シーンについて紹介します。

自動車業界

car painting conveyor automated

自動車業界は、いち早くロボットを導入した業界であり、溶接作業や塗装作業などあらゆる作業工程でロボットが活用されています。

プレス・溶接・塗装・部品の組み立て・仕上げ作業・品質検査など、あらゆる工程で高度な自動化に成功している業界です。

大型の産業用ロボットが主流の業界ではありますが、自動車業界においても協働ロボットが導入され人と一緒作業を行い役割を果たしています。

金属加工業界

Standard universal industrial robot with part

金属加工業界は、独自の製造技術を持つ企業が多く存在し、小さなパーツから大きな製品まで、実に多種多様なものづくりをおこなう業界です。

プレス・溶接・穴あけ・切断・研磨など、さまざまな加工作業があり、加工方法、手順など各企業ごとに異なり、それぞれが各企業のノウハウとなっています。

このような加工作業では多品種を少量生産するケースがあるため、各工程の加工作業に変更がある事がおおくあります。このような状況にも柔軟な対応ができる協働ロボットに注目を浴びています。

食品・飲食業界

食品・飲食業界では、ほかの業界に比べると業務の自動化や省人化が遅れています。

食材は形状・硬軟度・粘度などが多種多様で、工場で製造される食品の種類も多いため、導入のハードルが高いことが原因とされてきました。

しかし、近年では、経済産業省や農林水産省といった国の機関が民間機関と連携し、「スマート食品産業」を推進していることもあり、食品・飲食業界においても協働ロボットの導入事例が少しずつ拡大しています。

食品製造業界では、製造ラインで盛り付け・箱詰め・ラベルの貼り付けなどで活用。

飲食業界では、食器洗いや配膳ロボットのような協働ロボットの活用が増加傾向にあります。

Autonomous waiter robot working in restaurant, Artificial intelligence 5G technology concept

協働ロボットの導入事例

Robotic arm raises goods and stacks them on conveyor. Automated robotic production line for packaging of items with workers. Technical team works with technologies, equipment, machines at factory

協働ロボットを導入するとひとことで言っても、企業ごとに課題やニーズは異なり、導入するロボットの種類やシステムも様々です。

ここでは、協働ロボットの導入事例について、3つの事例を紹介します。

仕分けと積み荷を自動化

真空パックの食料品を製造する会社では、箱詰め工程及び段ボール箱のパレット積み工程にロボットを導入。

導入前は、製品数34種類、箱詰めのパターン16種類を作業員が手作業で仕分けて箱詰めと積み付け(パレダイス)を行っていました。

しかし、人員不足でマンパワーでの対応に限界を感じ、解決方法を検討する中で、同業他社での導入事例を目の当たりにしたことが導入のきっかけとなったのです。

製品と箱詰め・パレダイスのパターンの多さに不安がありましたが、ロボットハンドと挿入方法(ティーチング)を工夫し、さらに、パレダイスについては、パレットチェンジャと呼ばれるシステム導入をすることで問題を解決しています。

協働ロボットを導入したことで、6名の省人化に成功し、別の重要工程へ配置転換することができ、生産数のアップにも繋がりました。

参照:ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018

繊細で複雑な手作業の工程を自動化

広島県の伝統工芸品として、世界からも注目される熊野筆も協働ロボットの導入により、一部作業を自動化に成功しています。

その熊野筆の工程は複雑で、ほとんどが職人の手作りにより製造されています。

しかし、職人の高齢化や、中国産の安価な製品が台頭し、製造工程の自動化やコストダウンの対策が喫緊の課題です。

熊野筆を製造する企業では、製法が比較的シンプルで、需要が急増しているネイル用の筆における全製造工程を自動化するため、6台のロボットを導入。

計量から接着、バリ取りまでの各工程を一体化したロボットシステムを導入したことで、6人から2人の省人化、労働時間も6時間から4時間に短縮、生産量は3,000本から20,000本まで増やすことに成功しました。

参照:ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018

物流のピッキングから搬送までを自動化

Industrial robots. Automated warehouse carts inside factory. Autonomous robots for working in warehouse. Modernization of storage process. Amr raise shelves for transportation. 3d image

EC物流センターでは、手作業でおこなっていたバラピッキング作業に、複数の形状をピッキングできるロボットシステムを導入しました。

自動倉庫から商品が出庫された後、ロボットが商品をピッキングし、次の工程に自動で搬送されることで、夜間など人員確保が難しい時間帯での出荷が可能となりました。

結果、6人から2人へ省人化したにもかかわらず、センターの稼働時間の長時間化が実現し、また労働生産性が300%以上に向上する結果に繋がったのです。

参照:ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2017

ICS SAKABEの協働ロボット

ICS SAKABEが取り扱うロボットは、次のとおり、大きく分けて6つの製品があります。

  • ・OnRbot製のロボットハンドとロボットビジョン
  • ・piab製のロボットハンド
  • ・SOLOMON製のロボットカメラ
  • ・汎用ロボットシステム
  • ・除菌装置
  • ・腰補助スーツ

ここでは、取り扱い製品の中から、一部のロボットハンド・ロボットビジョン・グリッパーについて紹介します。

ロボットハンド

ロボットハンドは、OnRobot製とpiab製を取り扱っています。

OnRbot製のロボットハンドは、フィンガーチップで把持するタイプの製品です。

様々なサイズや形状の製品を把持することができ、必要な場合は、フィンガーチップを作成することができます。

一方、piab製のロボットハンドは、空気圧式タイプで、吸着するタイプの製品です。

鉄板・ガラス・段ボール・食品など様々な製品をハンドリングすることができ、吸着痕も残さず対応します。

ロボットビジョン

ロボットビジョンの「OnRobot Eyes」は、プログラミングの複雑さを最小限に抑え、簡単に取り付けと導入ができるカメラシステムです。

視力システムは、オブジェクトの高さや積み重ねられた状態の奥行きを効率的に検知する2.5Dビジョンが採用されており、分類や選択が得意です。

また、多くのロボットメーカーと組み合わせることができ、ばらばらに配置された対象物を簡単に分類・選択・配置することができます。

グリッパー

グリッパーは、様々なタイプを取り揃えています。

ここでは、数ある取り扱いグリッパーの中から、4つのグリッパーとそれぞれの活用シーンを簡単に紹介します。

  • ・電動ドライバー型(ねじ締めの自動化)
  • ・自動研磨機型(表面仕上げの自動化)
  • ・粘着式グリッパー(表面に凹凸があるアイテムも把持することが可能)
  • ・柔軟で軟らかいソフト式グリッパー(食品などのイレギュラーな形とデリケートな製品も把持することが可能)

用途に応じて適切な商品が異なる点は理解しておきましょう。

協働ロボットの導入の流れ

ここからは、協働ロボットを導入する場合の流れを紹介します。

①目的の明確化

まずは、自社にあった協働ロボットを選択できるよう、経営課題や目的を明確にすることが大切です。

予算や導入時期も一緒に検討しましょう。

②自動化したい作業の選定

次に、協働ロボットの導入で自動化したい作業を選定し、手作業で行っている作業手順を整理します。

③メーカーや取り扱い代理店への問い合わせ

協働ロボットの導入に向けて、メーカーや取り扱い代理店へ問い合わせましょう。

導入から運用までの計画・必要なロボットの選択・リスクアセスメントの提案などをサポートしてくれます。

初めての協働ロボットの導入で不安があり、しっかり相談してから導入したい場合は、ぜひICS SAKABEのロボットセンター小倉へご相談ください。

導入までのサポートはもちろん、カスタム可能なスタートセットの用意があるほか、安全に活用するための操作レクチャーを受けることができるなど、導入後のサポートも充実しています。

④社内の運用体制を検討する

導入を本格的に進める場合は、運用保守担当者や、運用ルールなどを整備する必要があります。

社内で協議し、運用体制を検討しましょう。

⑤提案依頼書の作成や依頼先の選定

協働ロボットの導入や業務委託を行うにあたって、具体的な提案依頼書を作成しましょう。

また、依頼先候補が複数ある場合は提案依頼書を提示し、依頼先を選定します。

⑥協働ロボットの導入

依頼先との調整後、現場にロボットを設置してもらい、導入が完了となります。

ICS SAKABEでは、導入後のサポートも充実していますので、ぜひ設置後のサービスもご利用ください。

協働ロボットの導入を検討するならICS SAKABEへご相談ください

今回は、協働ロボットの活用シーンと導入事例について紹介しました。人材の確保や生産性の効率化などを考えられている企業様は、ぜひ協働ロボットの導入を検討されてください。

ICS SAKABEでは、様々な協働ロボットの製品を取り扱っており、導入までのサポートはもちろん、導入時の操作レクチャーや、導入後のサポートも充実しています。

協働ロボットの導入を検討されている企業様はもちろん、ご家庭で活用できるロボット製品も取り扱っていますので、気になる方は、以下リンクより詳細を確認してください。

まとめ

本記事では、協働ロボットの活用シーンを解説しました。

協働ロボットは自動車業界や金属加工業界をはじめとした、様々な業界で導入が進んでいます。

仕分けや積荷といった単純な作業だけでなく、細かな作業でも活用できるため、まだ協働ロボットの導入をしたことがない人は、利用を検討してみてください。

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