ICS SAKABE Industrial Control Solution

お知らせ

News

マシンビジョンとは?マシンビジョンの仕組みや活用するメリットも解説

近年、少子高齢化も相まって人手不足となる業界が増加しています。そんな中、注目を集めているのがマシンビジョンです。マシンビジョンを用いることで作業の効率を向上させることやコストを抑えること、安全性の向上につなげることが可能です。

本記事ではマシンビジョンについて、仕組みや活用するメリット、活用例をもとに解説します。コンピュータビジョンやロボットビジョン、AIビジョンとの違いについても触れますので、ぜひ読み進めてください。

マシンビジョンとは?

machine

マシンビジョンは、デジタル技術を用いた視覚情報や光学情報の活用を指しています。主に使用されているのは、カメラに映った画像を処理し、その処理結果に応じて機器を動作させる技術です。

マシンビジョンは機械系や食品、医療品、農業など幅広い分野で利用されています。マシンビジョンを利用することで、自動検査や工程の自動化、製品の評価や分析を素早く確実に行うことが可能です。今まで目視で確認していたものを機械に置き換えることで、エラーが起こりにくくなり、作業の効率が上がるでしょう。

マシンビジョンを導入するには、検討に時間を有する、初期コストや定期メンテナンスなどの諸費用がかかる、製品の検証に専門知識が必要になるといったデメリットが存在します。メーカーや販売会社に複数のマシンビジョンの特性を確認したうえで、ニーズに合うマシンビジョンを探すようにしましょう。

マシンビジョンとほかのビジョンの違いとは?

マシンビジョンと他のビジョンの違いはさまざまです。ここでは、「コンピュータビジョン」「ロボットビジョン」「AIビジョン」の3つのビジョンとマシンビジョンの違いについてそれぞれの特徴をもとに解説します。

特徴
マシンビジョン人が目視で行っていた検査などを自動化するもの。
人の目では判別できない小さな傷や違いを見分けることができる。
主に、産業分野の自動検査や整列部品・医療器具などのピッキング、食品や医療の評価・分析を行う。
ロボットビジョン機械の視覚機能をマシンビジョンに付加した技術。
機械のアーム先端にカメラを取り付けることで、機械自らが得た視覚情報をもとに作業することができる。
コンピュータビジョンコンピューターが自動で大量のデータを解析して、データの特徴を抽出する技術(ディープラーニング)を駆使し、マシンビジョンよりも正確な画像認識をするもの。
顔認証やAR、医療、自動車走行などに用いられる。
AIビジョンカメラやカメラ機能をもつスマートフォンなどに軽量なAIチップを搭載し、撮影した画像データを推論するシステム。
特定の目的に基づいて認識・処理を行うもの。
製造業やeコマースサイト、自動運転車、スマートフォン、医療などあらゆる業界、分野で利活用が進んでいる。

マシンビジョンとロボットビジョンは同義として使われるケースもあります。違いとして、「複数の機械にカメラを取り付け、画像情報を得たうえで処理を行う」のがマシンビジョン、「機械自体にカメラを付加し、その画像情報をもとに機械が作業を行う」のがロボットビジョンです。

マシンビジョンとコンピュータビジョン、AIビジョンは画像処理を行うまでは同じです。大きな違いは、出力結果によって機械などを制御するかどうかです。コンピュータビジョンは画像処理をして結果を出力する目的で使われるのに対し、マシンビジョンは画像処理で結果を判断し、その結果に基づいて別の産業機器などを動かします。

ちなみに、コンピュータビジョンは画像や映像からできる限り多くの情報を抽出しようとするもの、対してAIビジョンは自動運転車であれば他の自動車や建物、電柱などの障害物を検出(認識)し、衝突することを回避する(処理)までの一連のプロセスといった特定の目的に関して画像の認識や処理を行うものという違いが存在します。

それぞれのビジョンに特徴があるため、一つひとつ比較したうえで、どのビジョンがニーズに合っているか検討してください。

マシンビジョンの仕組み

マシンビジョンの仕組みは、以下の構成要素とプロセスからなっています。それぞれ解説しています。

マシンビジョンの構成要素

マシンビジョンは大きく分けて以下の4つの構成要素から成り立っています。

・カメラ

・フレームグラバー

・照明

・ソフトウェア

「カメラ」は、デジタル機器に画像を入力する際に重要となります。マシンビジョンが行うタスクによって、必要となるカメラの性能が異なるため、対象物の検査範囲や速度などをもとに白黒かカラー、解像度、フレームレートなどを考慮して最適なカメラを選択しなければなりません。「フレームグラバー」とは、カメラから送られてくるアナログ信号をデジタル信号に変更する装置です。カメラの規格次第ではフレームグラバーを使用しないものも存在します。

「照明」は、対象物を正確に撮影・測定するために必要です。採用しているカメラのタイプや検査対象の種類に加え、検査項目によっても求められる性能は変わります。「ソフトウェア」とは、パソコンに取り込まれた画像データをもとに定められた基準を超えているかの判断処理をするプログラムを指します。1種類のソフトウェアがすべての検査に対応しているわけではないため、注意が必要です。

各部品ともに、用途や目的に応じて選んだりカスタマイズをしなければなりません。専門家に相談しつつ、ニーズに合うマシンビジョンを設計してもらいましょう。

マシンビジョンのプロセス

マシンビジョンでは、「画像の取得→画像の処理→判断と出力」のプロセスをもとに処理します。各過程で行うことを以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

行うこと
画像の取得カメラを使用し、必要な画像データを取得する。
人間の目には写らない細かい傷なども、データとして取得が可能なため、より正確なデータを得ることができます。
画像の処理処理エンジン部と処理制御部にて画像データから得られる情報を処理する。
目的に応じて、対象物の輪郭を検出するエッジ検出や、白黒に変換した画像を用いるしきい値設定などをもとに処理していきます。
判断と出力処理制御部から出力された対応機器ソフトウェアの検査の結果をもとに対応機器へ指示を出す。
合格した場合は工場の生産ライン上の機械を動かす指示を出し、不合格だった場合は不適合品として取り除くなどの指示を出します。

マシンビジョンでは、カメラから取得した画像データをソフトウェア内の様々な処理方法を用いて処理を実施。その結果をもとに対応する機器へ指示を出し、基準を満たしているか判別します。

カメラの解像度や光の具合によっても結果が変わることがあるため、マシンビジョンを導入する目的を明確化しておくことで、目的に合った機材選びをすることができるでしょう。

マシンビジョンを活用するメリット

マシンビジョンを活用するメリット以下は多くありますが、その中でも特に利点になる3点を紹介します。

・高精度な検査ができる

・コスト削減につながる

・危険を回避することができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

高精度な検査ができる

マシンビジョンでは、高解像度のカメラを用いることで、人の目視では不可能であった高精度の判別が可能となります。また、即座に判別を行うため、作業効率を上げることもできるでしょう。

マシンビジョンは複雑で規則性がない要素を判断するのは難しく、体系化されたものの判断を得意とする特性を持っています。そのため、体系化された情報にミリ単位のごくわずかなエラーがあったとしても、適切な解像度のカメラと高い画像処理能力を併せ持つマシンビジョンであれば、素早く発見でき、高い検査品質を実現することが可能です。そうすることで、少ない人手であっても検査工程の生産性を大幅に向上することができます。

取り込む情報を最適化させることによって、人間の目で測定するよりも早く確実な測定が可能となり、マシンビジョン1台で1分あたり数百から数千ものパーツを検査できるようになります。性能がシフト中に低下することはないため、業務を迅速化し、サイクル時間を短縮することができるでしょう。  

コスト削減につながる

マシンビジョンを用いることで、運用コストや原材料コストを抑えることが可能となります。マシンビジョンにより、早期に製造上の欠陥を見つける、過充填を突き止める、または欠陥の原因を特定することができるためです。

不良品の発生を早い段階で発見できることで、再加工や廃棄にかかるコストを削減できます。また、人的リソースの削減にもつながり、運用コストを抑えることができます。こうした間接費を抑えていくことで、最終的に原材料コストを引き下げることにつながるでしょう。

また、マシンと検査対象の接触がないため、摩耗や製品の損傷を防ぐことができ、マシンビジョンの維持費の削減にもつながります。また、人員をより価値の高い活動のために確保することができるでしょう。

危険を回避することができる

マシンビジョンを導入することで、作業員の安全性を高めることができるでしょう。また、作業中に起こり得るリスクを回避しやすくなります。

マシンビジョンの導入により、あらゆる製造工程への人の介入の数を減らすことが可能です。そのため、作業員の騒音や危険な機械との接触などを必要最低限に抑えられます。もし設備に問題がある場合は、マシンビジョンが提供する情報をもとにリモートで診断と調整ができることも少なくありません。

また、無菌室などの特殊な環境で製品を扱う場合も、マシンビジョンを利用することで汚染や破損のリスクを低減できます。マシンビジョンと人を適材適所で使い分けることでより安全に、効率良く作業を進めていきましょう。

マシンビジョンを活用した例

マシンビジョンを活用した例を以下の3点をもとに解説します。

・製品の外観や寸法の検査

・特定部品のピッキング

・設備点検

それぞれ見ていきましょう。

製品の外観や寸法の検査

マシンビジョンを活用した例の1つに製品の外観や寸法の検査があります。合否基準をあらかじめ定めておくことで、マシンビジョンが自動的に判断します。

マシンビジョンによる外観検査は、切削や成形後の製品の精度や部品の装着状態などの検査を高速かつ正確に行えるため、生産効率の向上と品質維持に欠かせません。対象物の表面は、光沢の有無や照明の吸収率などが多種多様であるため、マシンビジョンに使用する照明を工夫する必要があります。照明の方法や光線の色を変えることで、さまざまな表面状態の製品の検査が可能です。

そのほか、測定方式、構造化照明などの撮影方式を備えた3Dカメラを用いることで、奥行き(深さ)を測定することも可能です。マシンビジョンを用いることで、高精度かつ迅速な検査が行えるようになり、一貫の製品品質を保つことができるでしょう。

特定部品のピッキング

特定部品のピッキングもマシンビジョンの活用例です。マシンビジョンを活用すると、一つのケースにさまざまな色や形状の部品や製品が混在していても、指定した色や形状の部品を特定しピッキングすることができます。

曲面の多い形状や柔らかいもの、複雑な構造をした部品など、さまざまな部品・製品に対して高精度な3次元認識が可能です。形状も円筒状や薄板、表面に光沢のある素材から梨地素材など、部品・製品を選びません。そのため、製品を組み立てるために部品箱からワークをピッキングする作業、配送先ごとに段ボールを仕分けするパレタイズやデパレタイズなどのばら積みピッキングにも対応しています。

重量のある鍛造素材は、人間の手でピッキングを繰り返すには身体的に負担が大きなワークであり、落下による事故の危険性もあります。マシンビジョンを取り入れることで、ピッキングが自動化され、作業員の身体的な負担や事故の可能性をゼロにすることもできるでしょう。また、ヒューマンエラーを低減させることにも役立ちます。

設備点検

設備点検にマシンビジョンを導入する例もあります。コンピュータビジョンを加えることで、24時間自動的に点検することもできるでしょう。

目視で点検を行う場合、時間や人的コスト、作業者により点検の品質にムラがあるなどのデメリットがどうしても存在してしまいます。マシンビジョンを取り入れることで、24時間異常がないかマシンビジョンが確認し、異常を発見した際はアラートなどで警告することが可能です。点検の質を保つことができ、省人化することもできるでしょう。

稼働中の設備の故障を検知した場合に自動メールアラートを通知する機能や、設備の状況をリアルタイムで把握した報告書の作成などを行うことができます。マシンビジョンが工場設備の点検に導入されることで、設備点検に費やしていた時間や人員を削減できるとともに、効率的な稼働や作業工数の削減が期待できるでしょう。

マシンビジョンを導入するなら、ICS SAKABEに相談

ICS SAKABEは電気制御の専門家として、製造業の企業様へ産業用ロボット活用をはじめとした、生産現場の自動化を支援している会社です。様々な要望に合わせて、厳しい設計要件を満たす制御装置の提供、開発を行っています。

経験豊富な技術者を筆頭に、お客様のお困りごとを解決する事を第一に考え、電機設備の設計・製作・工事・試運転調整・保守修理業務を行っていますので、安心して相談することができるでしょう。自動車生産工場や自動倉庫等の各種装置に用いられる制御盤や、自動化装置など、さまざまな装置の設計から開発の実績があります。

ロボットセンター小倉において、産業ロボットセミナーも随時開催しているため、産業ロボットの安全な利用方法を学ぶことも可能です。また、どのようなサービスを展開しているかをホームページにて掲載していますので、参考にしてください。

まとめ

本記事ではマシンビジョンについて、仕組みや活用するメリット、活用例をもとに解説しました。マシンビジョンは、従来、人が目視で確認していた作業をより早く正確にするカメラを用いた技術です。

マシンビジョンは「カメラ」「フレームグラバー」「照明」「ソフトウェア」の4つの構成要素から成り立っており、「画像の取得→画像の処理→判断と出力」のプロセスに沿って処理を行うという仕組みになっています。マシンビジョンを活用する主なメリットは以下の通りです。

・高精度な検査ができる

・コスト削減につながる

・危険を回避することができる

マシンビジョンを導入することで、高精度な検査を迅速に行うことができ、コストの削減や危険回避に役立ちます。マシンビジョンの活用例として以下の3点を挙げました。

・製品の外観や寸法の検査

・特定部品のピッキング

・設備点検

また、コンピュータビジョンやロボットビジョン、AIビジョンとの違いも比較しました。それぞれの特徴を再度確認しましょう。

特徴
マシンビジョン人が目視で行っていた検査などを自動化するもの。
人の目では判別できない小さな傷や違いを見分けることができる。
主に、産業分野の自動検査や整列部品・医療器具などのピッキング、食品や医療の評価・分析を行う。
ロボットビジョン機械の視覚機能をマシンビジョンに付加した技術。
機械のアーム先端にカメラを取り付けることで、機械自らが得た視覚情報をもとに作業することができる。
コンピュータビジョンコンピューターが自動で大量のデータを解析して、データの特徴を抽出する技術(ディープラーニング)を駆使し、マシンビジョンよりも正確な画像認識をするもの。
顔認証やAR、医療、自動車走行などに用いられる。
AIビジョンカメラやカメラ機能をもつスマートフォンなどに軽量なAIチップを搭載し、撮影した画像データを推論するシステム。
特定の目的に基づいて認識・処理を行うもの。
製造業やeコマースサイト、自動運転車、スマートフォン、医療などあらゆる業界、分野で利活用が進んでいる。

それぞれのビジョンの特徴を把握し、改善や向上したい内容を具体化したうえで、専門のメーカーや販売会社に相談してください。

一覧に戻る